近年、病院内において栄養療法の重要性が再認識され、多職種参入型のNST(栄養サポートチーム)の設立が全国的に普及しつつある。

 

 またその一方で、院内だけでなく患者が地域に戻った時も含めて包括的に栄養療法を考えていこうという動きもみられるようになってきている。それはすなわち「地域一体型NST」が推奨されることを意味する。

 

 しかし、在宅医療といえば医師の診察・往診、看護師の訪問、管理栄養士の訪問、介護支援専門員(ケアマネージャー)の介入、歯科医師の診察・往診、言語聴覚士(ST)の支援、薬剤師の支援、ヘルパーの援助など各専門職がそれぞれかかわっているものの、病院と異なり各職種間の連携が取りにくい現状にある。

 

さらに現在、在宅での栄養療法に関して

 

1.  在宅で医療や介護を受けている患者で栄養状態が低下する例がある。
2.  病院からの退院時、栄養療法の継続が必ずしもうまくいっていない。
3.  退院にあたって在宅で栄養管理を依頼する場合の受け皿がはっきりしない。
4.  在宅では患者や家族が孤立しがちである。
5.  在宅での栄養状態悪化に対する対応策がなく、組織もない。

 

などのさまざまな問題点をかかえている。

 

 それらの問題を少しでも解決することは在宅患者や家族にとって長く待ち望んでいたことであり、われわれ在宅医療に関わる医療従事者にとっても当然の責務であると思われる。そのためにも、まずは松阪地区の在宅医療従事者それぞれが連携して在宅栄養を管理するチームを結成することが肝要である。さらに在宅栄養療法を根本から見直し、病院からの退院患者の栄養指導、在宅褥瘡発症予防、PEGを含めた在宅栄養患者の栄養サポートなどに真摯に取り組み、病院NSTと連携して地域一体型NSTを構築することがわれわれに課せられた使命であると考えられる。

そこで、病院NSTと在宅医療従事者が一体となって在宅栄養を考えることを目的とした松阪地区在宅栄養研究会を発足した。