Q1:簡単なNSTの方法を教えてください(看護師)

A1:(済生会 松阪総合病院 医師 清水敦哉)
NSTは栄養サポートチームの略です。したがって2人以上いればチームになります。できれば多職種が望ましいですが・・・。一番重要なのは一人で判断せずに他の人と栄養評価や栄養療法について話し合うことが重要と思います。また、その活動で最も基本的なことは体重を測定すること、食事内容をきちんと把握することと思います。栄養状態が悪い人や悪化する恐れのある人を早く発見することが大切です。

 

Q2:うつ病患者への対応を教えてください(看護師)

A2:(済生会 松阪総合病院 医師 清水敦哉)
基本的には精神科専門医の評価をしてもらうことが重要です。食思不振の原因にうつ病も多いので、まずは、その可能性について考慮することが重要と思います。適切な薬物療法で改善される患者さんも多いと思います。


Q3:院内感染の予防法について教えてください(看護師)

A3:(済生会 松阪総合病院 医師 清水敦哉)
感染の専門家ではありませんが・・・。やはりこまめな手洗いでしょうか。


Q4:栄養状態の評価方法について
   太った方もいて減らすべきか悩のでいます(看護師)

A4:(済生会 松阪総合病院 医師 清水敦哉)
基本的には身長や体重、AMCやTSFになると思います。血液検査ではアルブミン値や総リンパ球数(TLC)となります。さらに詳細にRapid turnover proteinまで解析することがあります。どのような評価が可能か、また必要かは、対象症例がおかれている環境(在宅、一般病院あるいは介護施設など)により異なります。
最近は肥満患者さんも多く、必要カロリーを算定するのに悩んでしまう症例も多いと思います。あまり、体重が多い場合は現体重と標準体重の間をとるような調節体重もあります。体重が標準体重の120%を超える場合(あるいはBMIが30以上)は調節体重を使います。調節体重=標準体重+(実体重-標準体重)÷4です。


Q5:PEG造設後の管理、スキンケア等、漏れの対処法、肉芽、出血、周辺チューブの接続・交換時期について教えて欲しい(看護師)

A5:(済生会 松阪総合病院 医師 清水敦哉)
PEG造設後、数日間は消毒をしますが、その後は不要です。清潔にしてあげることが重要で、消毒は逆に瘻孔周囲を悪くします。ティッシュこよりはご存知かと思います。栄養剤がもれる場合、ひとつはPEG自体が交換時期にあることが多いと思います。交換後にももれる場合は瘻孔自体に問題があるかもしれません。PEG造設医に一度、相談してください。また、栄養剤の半固形化により瘻孔からのリークを予防可能です。肉芽はリンデロンVG軟膏、皮膚科で硝酸銀焼灼などになります。交換時期はバンパー型では6ヶ月~8ヶ月に1回(4ヶ月以上で保険適応)となります。


Q6:胃ろう患者が経口摂取に戻る際、訓練してもらえる病院はありますか?(薬剤師)

A6:(松阪中央総合病院 医師 小林一彦)
松阪中央総合病院のリハビリテーション科で、嚥下訓練をしております。リハビリテーション科の太田先生に連絡して下さい。

 

Q7:どのような経腸栄養剤を使っているか、人気があるか。医薬品か食品か?(薬剤師)

A7:(済生会 松阪総合病院 医師 橋本章、管理栄養科)
我々の使用している栄養剤の中で、食品として考えるなら、年齢を問わず人気の高い経腸栄養剤はテルミールミニα、苺味です。実際に飲んでみると多くの経腸栄養剤に共通する甘ったるさ、すなわち飲んだ後に「お茶をもう一杯」と言いたくなる感じが少ないように思われます。冷やして飲めば「イチゴミルク」顔負けのお味です。次に人気はメディエフアミノプラス、バナナ味です。BCAAも含まれており蛋白補給にも最適です。
医薬品ではラコールが下痢など少なくよく用いています。手術前の免疫能upを目的にアノム(食品ですが・・)も用いていますが、当然のこととして外科症例が多くなっています。
そのほかでは糖尿病用のグルセルナ、腎臓病用のリーナレン等も飲みやすいように思われます。当施設では多数の栄養剤を常備しているわけではありません。ただ採用時にいわゆる飲み比べをして採用しており、上記の栄養剤は比較的安定して飲まれていると思っています。
また経腸栄養剤のゼリー化、シャーベット化も試しておりますが,いかんせんこのような対応を迫られるのは元々経腸栄養剤が進まないケースであり、結局長続きしていない状況です。やはり液体を無理なく飲める患者様が長期に渡り内服をされています。

 

追記:医師 清水敦哉
済生会松阪総合病院採用の栄養剤
医薬品:ラコール、エンシュア、エレンタール、ハーモニックF
食品:メディエフ、メディエフアミノプラス、アノム、グルセルナ、リーナレン、テルミールミニα、(ブイクレスα、GFO)
入院中は食品で提供することが多いですが、自宅へ戻られるかたには医薬品を使うことが多いと思います。

 

Q8:下痢の患者さんへの投与法(浸透圧、投与時間、栄養材の選択) (薬剤師)

A8:(済生会松阪総合病院 医師 橋本章)
経腸栄養剤投与開始時の下痢に関しては自然滴下で投与されているならまず投与速度を遅くすることをお勧めします。時間50ml程度まで減速すると下痢の改善は期待されます。一度下痢になると大変ですので、投与初期は注入速度をあまり上げないほうが宜しいと思います。経腸栄養剤は原則として脂肪が少ない製剤(例えばらコールなど)、もしくは食物繊維を含んだ製剤を選択されると宜しいと思います。栄養剤の多くは浸透圧調整がなされていると思われますので、白湯で薄くすることは下痢に対しては効果が乏しいと思われます。逆に水分量を増やしてしまうと下痢を誘発してしまう結果になるかもしれません。但しエレンタールは浸透圧が高いので、投与当初は薄められたほうが宜しいと思います。
あと下痢を改善する方法としては栄養剤に「とろみ」をつけることです。繊維が増量されることもあり、かつ誤嚥にも効果があるとの報告もみられ、試みるに値する方法と考えます。どの程度に粘度調整するかは現時点では色々な意見があり統一されていません。栄養材形状機能研究会等で検討の最中と聞いています。